世界遺産・二条城には、四季折々の美しい風景や花木があります。
春
サクラ
二条城のサクラは城内全域で、約300本・50品種が植えられ、サクラの咲く3月下旬から4月には多くの方が訪れます。
二条城築城当時にサクラがあったのかどうかは定かではありませんが、少なくとも陸軍省が所管していた1878年(明治11年)から1881年(明治14年)頃には、113本ものサクラがありました。しかし、戦後には数十本程に減少してしまいました。 現在の大半のサクラは、1955年(昭和30年)代後半から1965年(昭和40年)代前半にかけて植えられたものです。
また、例年、『二条城桜まつり』において、桜のライトアップを行っています。
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開花時期
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ヤマザクラ・ソメイヨシノ
3月下旬~4月上旬
シダレザクラ
3月下旬~4月中旬
サトザクラ
4月上旬~4月下旬
ツツジ
クルメツツジは城内西部に多く見受けられます。ヤエベニシダレの下に植えられていますので、毎年ヤエベニシダレの花が散り染めの頃に咲き始めます。また、本丸庭園や二の丸庭園、二の丸御殿周囲等には、オオムラサキツツジが所々に植えられています。
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開花時期
- 4月下旬~5月上旬
夏
シダレエンジュ
シダレエンジュは、えんじゅ(槐)の変種でマメ科に属する落葉高木で、二条城に訪れる皆様から、「この木は何ですか?」と尋ねられることが多い縁起の良い木です。
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開花時期
- 7月下旬~8月上旬
サルスベリ
開花時期の長い花木として知られており、二条城内では、清流園に2本、本丸天守閣東に1本植えられ、花木の少ないこの時期に濃紅色の花を咲かせ続けます。
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開花時期
- 7月~9月頃
冬
ツバキ
二条城にあるツバキは、1953年(昭和28年)頃より植栽しはじめました。武田一乗寺農場・宝鏡寺・東京農業大学厚木農場から挿穂を譲り受けて、繁殖したものを植栽し、1965年(昭和40年)には、620本・約120品種ありました。
2007年(平成19年)3月の調査では、城内のツバキはおおよそ400本、約90品種あることがわかりました。特に集中して植栽されている北中仕切門~西北米蔵西側までの間には約240本・80品種程のツバキが植えられています。
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開花時期
- 12月頃~4月中旬
ウメ
二条城のウメはおおよそ90本ほどあり、そのほとんどが城内南西部の「梅林」に植えられています。この梅林は1954年(昭和29年)、かし林を伐採開墾して植樹し、その後通路南側にも拡張補植されました。品種は紅梅、白梅、桃色梅、1本の木に紅白の花を咲き分ける源平咲き分け、シダレウメなどがあります。
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開花時期
- 2月中旬~3月下旬(見頃は2月下旬~3月上中旬)
雪景色
雪化粧の二条城は、普段なかなか見ることができない貴重な風景です。雪が降った日は、ぜひ二条城へ足をお運びください。
蘇鉄(ソテツ)
二条城における蘇鉄の歴史
江戸時代(3代将軍徳川家光の時代)、鍋島藩(現在の佐賀県)の鍋島勝茂公が、後水尾天皇行幸に先駆け、蘇鉄を1本献上している記録(東武実録)があり、今まで二の丸庭園の蘇鉄は、鍋島勝茂公が献上したものとして紹介されていました。しかし、1997年(平成9年)に江戸中期(8代将軍徳川吉宗の時代)の二の丸庭園の絵図が公表され、当時の二の丸庭園には15本もの蘇鉄が植えられていたことが分かり、その内の1本が現存する蘇鉄の位置と合致しています。現存する蘇鉄は当時のものかどうかは不明ですが、幕末古写真には写っていることから、少なくとも150年以上の樹齢が経過していると思われます。
蘇鉄(ソテツ)の防寒養生
私たち二条城職員は、蘇鉄が南方系の植物で寒さに弱いため、毎年11月下旬~12月初旬頃に、蘇鉄の幹全体に、こもやワラなど巻く防寒養生を行っています。この手法は宮内省所管時から引き継がれ、少なくとも65年以上も続けられている庭園管理作業の一つで、二の丸庭園の冬の風物詩となっています。
花木マップ
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