令和5年度秋期「二条城障壁画 展示収蔵館」原画公開について
2023年7月18日
二条城二の丸御殿の障壁画は、後水尾天皇の行幸に先立ち、徳川将軍家が寛永元年から3年(1624~26)にかけて行った大改修の際、狩野探幽率いる狩野派の絵師たちによって描かれました。二条城では、これらの障壁画の模写を制作して原画(オリジナル)とはめかえ、原画は「二条城障壁画 展示収蔵館」において収蔵し、順次、展示公開しています。
この度、令和5年度秋期の原画公開を下記のとおり開催します。秋期には、〈黒書院〉四の間の障壁画を展示します。襖や壁には咲き誇る菊が描かれる一方、長押の上の壁には、風になびく薄を背景に扇が散らされています。いずれも華やかな秋の風情を伝えるだけでなく、中国や日本の詩や和歌等の文芸作品でも繰り返し取り上げられてきた主題でもあります。行幸の際に、〈黒書院〉は列席した公家や門跡衆をもてなす場となり、四の間は公卿たちの宴席となりました。教養ある公家たちは、菊や扇にまつわる様々な作品を想起したかもしれません。浮彫のように見える菊の花や垣根、さらには、一面として同じデザインの無い扇面を間近からお楽しみください。
タイトル:秋期「菊と扇 ~〈黒書院〉四の間~」
会期:令和5年10月5日(木)~12月3日(日)[60日間]
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